教科書に登場

「キッズ・ウォー」が中学校の教科書に登場した時期があります。
何の教科だと思いますか?

家族間の助け合いというテーマで「道徳」?

テレビ番組の変遷で「社会」?

正解は「家庭」です。

掲載されていたのは、開隆堂の「技術・家庭 家庭分野」(平成17年1月31日検定済)の176ページです。
そもそも、教科書で取り上げられるドラマってそうそうないと思います。
言い換えれば、教科書で取り上げられるほど「教育的意義あり」とも言えますね。

ここで、キッズ・ウォーの放送年をおさらいしてみます。

パート1: 平成11年(1999年)
パート2: 平成12年(2000年)
パート3: 平成13年(2001年)
パート4: 平成14年(2002年)
パート5: 平成15年(2003年)

教科書は文部科学省による検定の翌々年度に使用開始となるため、実際にこの教科書が生徒の手に渡ったのは平成18年度からです。
パート3放送時に小学校低学年だった子たちが中学生になった時に、キッズ・ウォーが載ったと言えます。
公益財団法人教科書研究センターの「教科書目録情報データベース」によれば、この教科書は平成23年度まで使われたことが分かりました。

教科書の内容としては、「まんがやドラマの中の家族について話し合おう。」というもので、ドラマの中の家族としてキッズ・ウォー3の登場人物が次のように載っています。

・友恵(大介の母)
・大介(父)
・春子(母)
・健一(中学2年)
・茜(中学1年)
・里香(中学1年)
・真理(大介と春子の子ども3歳)
・浩(小学5年)

キッズ・ウォーを知らない生徒にも家族関係が分かるように、大介と春子がお互いに子連れ再婚したことも説明されています。
また、「健一のきょうだいは何人か」、「きょうだいげんかをするのか」について生徒に考えさせる吹き出しもあります。
「きょうだいげんか」についてはドラマを見たことある人なら、真っ先に「茜と里香」が思い浮かぶでしょう。

なお、キッズ・ウォーの両隣にはドラえもんやサザエさんの家族も載っています。
ドラえもん、サザエさんと並ぶキッズ・ウォーって結構すごいと思いませんか?
国民的アニメと昼ドラが教科書上で並ぶのは、なかなかないと思います。

教科書のみならず、教師向けの指導書にどんな記述があるのか気になったので、あわせて確認してみました。
そこには、それぞれの作品の家族の子ども「なりたい」か「なりたくないか」を考える板書例が書かれており、
・なりたい派の意見:「複雑だけど楽しそう」
・なりたくない派の意見:「複雑」「血のつながりのない人がいる」
がそれぞれ挙げられていました。

実際にドラマの映像を見せて、登場人物の特徴を考えさせるのもいいですね。
・茜と里香がケンカする理由
・里香が春子のことを「お母さん」と呼ばない理由
・浩が「茜」をお姉ちゃんと呼ばない理由
を生徒に考えさせるのもアリだと思います。

このように考えると、キッズ・ウォーを題材として色々なことを考えることができますね。
実際の教科書や指導書を見たい場合は、国立国会図書館や教科書図書館に行けば閲覧できます。
ご自身が昔使っていた教科書を見てみるというもの面白いかもしれませんよ