(レンタカー車内)
茜:
隊長さん、冬スペシャルのロケ地って、結構広い範囲にありそうだけど・・・。
隊長:
そうですねぇ・・・。
簡単に言うとエリアが縦に長いって感じですかね?
浩:
縦に長く?
隊長:
白馬村、大町市、松本市にロケ地があるんですが、ロケ地を点で表すと見ると縦に長く分布してるんですよ。
里香:
ロケ地の分布って地図で見ると結構面白いのね。
健一:
まずはどの町に行くんですか?
隊長:
白馬村です。
スキー場に行きます!
健一:
おっ、スキー場と言えば!
浩:
スキー場と言えば!
茜:
あのシーンの場所だな!
隊長:
お待たせしました!
ここが「白馬五竜スキー場です。」
里香:
私たちの車しかないわ。
浩:
スキーの時期になると車でいっぱいになりそうだよね。
隊長:
スキーシーズン以外は高山植物が見られる場所として解放されているんですよ。
ですから今日は中に入れます。
茜:
さすが隊長さん。
下調べが十分だね~。
里香:
宿とレンタカーの予約を忘れた誰かさんとは大違いねぇ~。
茜:
悪かったな!
健一:
まあまあ、その話はもうやめましょうよ。
隊長:
では、早速案内しますね!
隊長:
まず、この建物「エスカルプラザ」には翼くんのお母さんが働いていたお土産屋さんがあります。
浩:
翼くんって茜のこと「とっても元気がよくて、かわいい」って翼くんのお母さんに言ってたんだよね?
健一:
茜、あの時すごく照れてましたよね~。
里香:
翼くんもそうだったわよね。
隊長:
私もあの時の茜ちゃんは珍しく女の子らしい顔だなぁって思いました!
茜:
おいおい隊長さん、「珍しく」ってのは違うんじゃないか(笑)?
隊長:
「珍しく」じゃないですね。
「いつも」ですね(笑)
茜:
それでよろしい!
里香:
何言ってんだか・・・。
浩:
ねぇ、ゲレンデの方にも行こうよ!
健一:
そうしましょう!
茜:
うわぁー!
改めて来ると結構景色がいいなぁ。
隊長:
茜ちゃんと翼くんがこの木の横で、並んで立ってましたよね。
健一:
そうでしたね。
それで翼くん、「茜とここで滑りたい」とか、かっこいいこと言ってましたね、
浩:
茜、そりに乗って翼くんと滑ってたよね?
茜:
(笑いながら)
思えばスキー板じゃなくて、「そり」ってのがウケるよなー!
健一:
いやいや、二人一緒のそりに乗って滑るからこそ愛が深まるんですよ。
ですよね、茜?
茜:
まあ・・・、なんて言うか・・・。
そういうことにしておくか!
隊長:
あれ?
茜ちゃん、顔赤くなってません?
茜:
ちょっ、そんなんじゃないよ!
隊長:
(ニヤニヤしながら)
茜ちゃん、翼くんとここに来て結構楽しかったんじゃないですか?
健一:
二人ともいい感じでしたからね~。
茜:
だからさっきから言ってんだろ!
オレは別に・・・。
あの時は一也を探しに来ただけだよ。
里香:
とか言っちゃって・・・。
本当は翼くんと真っ白なゲレンデでもっとイチャイチャしたかったんじゃない?
茜:
おい、バカ言うな!
青春は「清く、正しく」なんだぞ!
健一:
そうですよ、里香。
茜は翼くんと手もつないでなかったじゃないですか。
隊長:
まあまあ、茜ちゃんも里香ちゃんも昔を思い出して色々言いたくなると思いますが、ここは抑えて抑えて・・・。
浩:
ねぇ、あのゴンドラって、一也くんたちが逃げるシーンで出てきたよね。
隊長:
さすが浩くん!
やっぱり、記憶力がいいですねぇ。
茜:
浩は歴史の年号とか都道府県の面積までスラスラ答えてたからな。
里香:
浩は天才児って呼ばれてたわよねぇ。
まっ、誰かさんがうちに来てからは汚染されてたけどね・・・。
茜:
おい、それってオレのことか?
里香:
あんた以外に誰がいるっていうのよ!?
茜:
お前、よくこんな景色がいいところでそういうことが言えるな!
里香:
だって事実じゃない!
茜:
ゴンドラに閉じこめて出てこれないようにしてやろうか!?
健一:
ちょっと二人とも!
何度も言ってますが行く先々で喧嘩しないでください!
浩:
そうだよ。
せっかくのロケ地巡りなんだから。
隊長:
そろそろ次の場所に行きたいと思います。
よろしいでしょうか?
健一:
お願いします!
隊長:
次の場所も楽しみにしててくださいね!
茜:
おっ、着いた着いた!
浩:
茜、ここ何のロケ地だっけ?
茜:
お前覚えてないのかよ!?
ここは一也を探して・・・。
んぁ~、隊長さん、説明よろしく!
隊長:
ここはスキー場で一也を追いかけた後、茜ちゃんとひとみさん達が話していた場所です。
向こうに見えるのが聖白馬教会です。
茜ちゃんたちが座っていたのはこのテーブルですね。
健一:
浩が分からないのも無理ないですよ。
冬スペシャルで長野に来たのはこの中で茜だけですから。
茜:
せっかくだからここで少し休憩しようぜ。
健一:
いいですね、そうしましょう!
里香:
そういえば、この場所に翼くんもいたわね。
茜:
そうだったよな。
浩:
茜ったら、ひとみさんが翼を好きになったからあの時すごくソワソワしてたよね?
茜:
ったく、ひとみさんには困ったぜ。
里香:
大好きな翼くんを横取りされそうだったもんねぇ。
茜:
おい里香、何だか楽しそうに言ってるよな?
里香:
そうかしら?
あたしは別に。
茜:
まあ、お前にはあの不良の一也がぴったりだったけどな!
里香:
一也くんのことそんな風に言わないで!
ホントはとってもいい人なんだから!
浩:
お姉ちゃん、昔もそんなこと言ってたよね?
隊長:
なんだかドラマの一場面を見ているみたいですね。
ワクワクします!
健一:
でも、まさかひとみさんが年下好きだったとはびっくりしましたね。
茜:
オレ、だんだん当時のこと思い出してきた。
この白馬に来てどんな出来事があったのか。
そして、誰とどんな会話をしたのか。
隊長:
そう言っていただけると、皆さんをロケ地に案内している甲斐があります。
こうして実際に目の前に皆さんがいることも本当にうれしく思います。
里香:
(小声で)
ちょっと、浩。
そろそろ隊長さんに言った方がいいんじゃないの?
浩:
(小声で)
だって、そんなこと言えないよ!
隊長:
里香ちゃんと浩くん?
どうしたんですか?
里香:
ううん、何でもないの。
次のロケ地にそろそろ行きましょう。
茜・健一:
・・・・・・。
隊長:
そうですね。
次も教会ですよ!
茜:
おっ、いいねぇ~。
健一:
それじゃあ、出発しましょう!
茜・健一・里香・浩・隊長:
オーッ!!
お待たせしました!
ここが黒木君が茜を待っていたホワイトハイランドそばの教会のロケ地、「和田の森教会」です!
健一:
冬スペシャルの最後の方で出てくる場所ですよね、隊長さん?
隊長:
その通りです!
この教会の前に黒木君がいたのですが携帯電話に・・・。
茜:
オレが「ごめんね」ってメールを送ったんだよな?
浩:
ちょっと切ないよね・・・。
里香:
茜ってあの時は黒木くんのことどう思ってたわけ?
茜:
まあ・・・、黒木は・・・、いいヤツだなって思ってたかな?
健一:
本当は黒木くんのことも翼くんと同じくらい好きだったんですよね?
隊長:
私もそう思います。
パート4で黒木くんが好きって、春子さんに言ってましたもんね。
茜:
よせよ、隊長さんてば!
浩:
あっ、茜ったら、顔が赤くなってるぅ~。
茜:
おいおい、みんなそれくらいにしてくれよなぁ。
照れるじゃんか。
健一:
何言ってるんですか、茜。
冬スペシャルは恋物語を描いた回じゃないですか。
隊長:
茜ちゃん、この場所に来てどうでしたか?
茜:
なんだかあの時の黒木の気持ちが少しわかるような気がしてきた。
悪いことしちゃったかもしれないけど、中途半端なことしても黒木に悪いだろ?
里香:
あたしもそう思うわ。
でも、茜って恋のライバルに気を遣い過ぎるのよね~。
健一:
でも、それが茜のいいところじゃないですか。
人の気持ちを思いやることができて。
浩:
僕なんか恋どころか、散々だったよ・・・。
茜:
由美ちゃんと真由ちゃんは結構大変だったよな。
浩:
あの二人、赤ちゃんができたとか僕をからかうし。
健一:
それを真に受けてる浩も結構おかしかったですよ(笑)
茜:
浩、お前本当にあの時は何も無かったんだよな?
浩:
どういうこと?
茜:
だから、その・・・。
過激なことをしたとか・・・。
浩:
そんなことしてないよ!
里香:
ちょっと、こんなところであんたたちどんな話してんのよ!?
隊長:
まあまあ、里香ちゃん落ち着いて。
健一:
それにしても森の中の教会なんて
なんだかいい雰囲気ですね。
(教会の中から音が聞こえてくる)
里香:
ねぇ、何か聞こえてこない?
浩:
確かに。
茜:
(耳を澄ませて)
なんだか表彰式の時に流れる音楽みたいだな。
隊長:
おそらく讃美歌130番ですね。
その讃美歌のメロディが表彰式などでよく使われるんですよ。
健一:
隊長さんって色々知ってるんですね。
隊長:
いえいえ、たまたまその讃美歌のことを知ってただけですよ。
里香:
それにしてもホントに落ち着くわね。
浩:
うん、そうだね!
健一:
隊長さん、そろそろ次の場所へも案内お願いします。
隊長:
はい!わかりました!
隊長:
ここのコンビニでみなさんの飲み物を買ってきますね。
健一:
隊長さん、何から何まですいません。
浩:
僕、カール食べたい!
里香:
浩!隊長さんに甘えすぎよ!
隊長:
いいですよ。
カールもバッチリ買ってきますから。
茜:
あれ?
ここってオレが・・・。
隊長:
あっ、茜ちゃんは何も言わなくても分かっちゃいました?
里香:
ここもロケ地なの?
隊長:
そうなんです。
ここは茜ちゃんと翼くんが白馬に向かう途中で、
ひとみさんに暴走族になったわけを聞いた場所なんです。
茜:
そうそう!
ひとみさん、翼に仲間にならないかって誘ってたよな(笑)
健一:
まあ、ひとみさんにも色々ありましたよね。
浩:
そういえば、中学校の職員室に乗り込んでたよね?
あれすごかったな~。
健一:
自殺しそうになった女の子のことを倉田先生に抗議してましたよね。
茜:
あの時の倉田、思い出すだけで許せねぇ!
隊長:
まあまあ、茜ちゃん。
こんなところでカッカしないで、楽しく行きましょう、楽しく!
浩:
ねぇ、線路の向こうに見える湖は?
隊長:
あれは木崎湖ですね。
茜:
ネッシーとか出てきそうだな。
あ、ネス湖じゃなくて「キザキ湖」だから出てくるとしたらザッキーだな!
隊長:
茜ちゃん、上手い!
茜:
だろ~、オレこういうの得意なんだ!
里香:
ったく、茜ったらどうでもいいことには頭の回転が早いんだから。
茜:
うるせぇ!
隊長:
あっ、そうそう。
飲み物とお菓子、買ってきますね!
健一:
隊長さん、ホントすみません!
隊長:
気にしなくていいんですよ。
皆さんは車の中で待っていてください。
隊長:
すみません(汗)
お菓子買うのに意外と時間かかっちゃって。
茜:
(レジ袋をのぞき込んで)
うわぁ、プリングルズ!
これ大好きなんだよな!
浩:
僕のカールは?
隊長:
もちろんありますよ!
忘れるわけないじゃないですか。
里香:
ちょっと浩~、食べ過ぎんじゃないわよ。
健一:
そうですよ。
浩ったら目を離すとお菓子を全部食べてますからね!
浩:
分かってるよ!
子どもじゃないんだから!
隊長:
浩くんの食いしん坊は今も昔も変わらないんですね(笑)
それじゃあ、出発しましょう!
第7話へつづく・・・