隊長:
ここはこの中では誰も来ていませんが、 ロケ地として案内しますね。
里香:
病院?
隊長:
ここ「市立大町総合病院」は、翼くんのお母さんが入院していた病院として使われた場所です。
里香:
翼くん、お母さんのことをすごく心配してたもんね。
健一:
そうでしたね。
倉田先生が階段から突き落とされた後、本当に翼くんが訴えられてたら、お母さんのお見舞いに来られませんでしたから。
浩:
先生が生徒を訴えるなんて・・・。
茜:
あの時もさんざん問題になったよな。
教師が生徒を訴えるなんて、許せないにもほどがあるぜ!
もっと「ざけんじゃねぇ!」ってアイツに言ってやればよかったな。
隊長:
翼くんはおばあちゃんのおかげで長野に来られたんですよね?
私もドラマを見ていてどうなることかヒヤヒヤしましたよ。
里香:
翼くんがお見舞いに来られたのも、おばあちゃんのおかげよね。
健一:
ええ、やっぱり僕たちのおばあちゃんはすごいですよ!
ちょっとガミガミうるさかったですけど。
隊長:
今、私たちがいるのが病院の正面です。
ここ以外にももう1か所ドラマに出てきた場所があるんです。
浩:
どこどこ?
隊長:
それが病院の横です。
茜:
ずいぶんと古そうな門だな。
隊長:
この門は病院開業当時からあるんだと思います。
健一:
そうかもしれませんね。
「大町総合病院」ではなく、「町立大町病院」って門に書いてありますから。
浩:
ロケ地に行くと、色んなことがわかるよね。
茜:
その場所の歴史、人々や街の様子、もちろんオレ達がいた場所の今の姿もな。
隊長:
茜ちゃん、かっこいいこと言いますね。
茜:
まっ、いつものことだけどな。
里香:
何を調子に乗ってんだか・・・。
隊長:
あっ、それでこの場所にいたのが翼くんとひとみさんです。
ここで翼くんが茜ちゃんにお母さんの手術がうまくいったって電話してましたね。
健一:
翼くんのお母さんは心臓が悪かったですからね。
さっき行ったスキー場の売店でも胸が痛くなる仕草してましたからね。
浩:
確か、茜と翼が売店を出て行った後だったよね?
茜:
そうだったな。
里香:
でも、最終的に元気になったんだからよかったじゃない。
健一:
そうですよ。
やっぱり元気が一番です。
茜:
オーッス!!
里香:
ちょっ、茜ったら突然大きな声出さないでよ!
茜:
だって、元気が一番なんだろ?
里香:
ったく、調子がいいんだから・・・。
隊長:
さて、この場所はこれくらいにして、次の場所に行きましょう!
隊長:
さあ、到着しました。
ここが「蓮華(れんげ)大橋」、黒木くんが茜ちゃんの乗った車を追いかける場面で登場した場所です。
茜:
レンゲ?
なんだかラーメン食いたいぜ~。
隊長:
ハハハ。
里香:
茜、何バカなこと言ってんのよ!?
茜:
あのなぁ、お前は人の気持ちを萎えさせるのが趣味か?
健一:
ほらほら、またケンカし・な・い。
浩:
ここって、さっきの病院からそんなに遠くないんだね。
隊長:
そうなんです。
さっきの病院とこの場所は同じ大町市内にあるんですよ。
里香:
そういえば、私たちっていつの間にか白馬から離れていたのね。
隊長:
そう思うのも無理ないですね。
ドラマの中では白馬や松本という地名がセリフに出てきますが、大町という単語は1回も出てきませんから。
茜:
ロケ地を探すのも大変だったんじゃないのか?
隊長:
病院はネットにロケ地情報が載っていたんですが、この場所はぜんぜん見つからなかったんです。
健一:
自分で探してみつけるなんて、やっぱり隊長さんすごいですよ!
隊長:
この場所を探していたとき、白馬村の中ばかり探してましたから。
茜:
つまり、この橋が大町市内にあるとはぜんぜん思わなかったわけか。
里香:
先入観があるとロケ地探しって難航することもあるのね。
隊長:
「この辺りにあるかも」と、ある程度予想する必要もあるのですが、「この辺りにあるはず」という先入観をなくすこともロケ地探しにとって大事なんです。
茜:
やっぱりオレには真似できない・・・。
浩:
そういえばさ、この橋の上を黒木くんがものすごい勢いで走ってたよね?
里香:
そうそう。
「茜ぇー!茜ぇー!」なんて大声で叫んでたわよね。
健一:
茜のことが大好きだって証拠ですね。
隊長:
それで、茜ちゃんが乗った車はこの信号を左折。
茜:
なるほどなるほど。
健一:
で、確かその後は・・・。
隊長:
車を追いかけて行くと思いきや、違う道から先回りをするという流れでしたね。
里香:
隊長さん、よく覚えてるわね!
隊長:
いやいや、皆さんをご案内するのにはこれくらいは覚えておかないといけませんからね。
浩:
(腕時計を見てから里香に向かって)
お姉ちゃん・・・、僕たち・・・。
里香:
(小声で)
・・・浩・・・、やっぱりちゃんと隊長さんに言った方がいいわよ。
浩:
・・・でも・・・。
健一:
(里香と浩に向かって)
二人で何コソコソしゃべってるんですか?
里香:
(小声で)
お兄ちゃんもこの後どうするか考えなさいよ。
健一:
・・・・・・。
隊長:
そういえば、里香ちゃんと浩くん、さっきも教会の所で何か話してましたよね?
どうかしましたか?
里香:
ううん、大丈夫。
別に何でもないの。
隊長:
まあ、何かあったらすぐ言ってくださいね。
あと、トイレはお早めに!
健一・里香・浩:
・・・・・・。
茜:
さっ、次の場所に行こうぜ!
隊長:
長らくお待たせしました!
松本市内のロケ地に到着です!
健一:
(背伸びをしながら)
だいぶ長い道のりでしたね~。
茜:
大町から一気に松本市内まで来たからな。
里香:
ここって・・・。
隊長:
開智学校です。
文明開化の時代の小学校を象徴する建物です。
茜:
あの廃校とはまるで大違いだな。
浩:
この学校、出て来たっけ?
隊長:
いや、この学校ではなくて、建物の裏の広場がロケ地なんですよ。
こっちですよ。
茜:
あー、思い出した!
オレと黒木、ここで話したことあったよ!
隊長:
そうです。
この開智学校の裏は松本で再会した黒木くんと茜ちゃんがベンチで話す場面で出てきました。
健一:
ベンチってこれですか?
隊長:
う~ん、おそらくですけど、二人が座ってたベンチではないと思います。
それは新しいやつですね。
残念ですけど・・・。
茜:
まあ仕方ないよ。
前来てから結構年が経ってるんだし。
浩:
松本市内って結構観光できそうだよね?
色々な所まわって見たいな~。
隊長:
そっか、それでさっきから浩くんは時計を気にしてたんですね!
浩:
え?
茜:
浩、観光ならまた別の日に来て、ゆっくりすればいいじゃんか。
今日は隊長さんに案内してもらう日だろ?
隊長:
次に行く場所で最後ですから、浩くんもう少し待っててくださいね。
浩:
う、うん・・・。
健一・里香:
・・・・・・。
最終話へ続く・・・。