隊長:
あ~、やっと沼津に着いた~。
新幹線の遅れはちょっとイタかったな・・・。
えっと、茜ちゃんたちは・・・?
茜:
隊長さーん、こっちこっち!
隊長:
あっ、みなさん遅れてすみません。
新幹線が途中の駅で止まっちゃって・・・。
浩:
約束忘れてたんじゃないかと思ったよ(笑)
里香:
ちょっと浩、冗談でもそういうこと言わないの。
隊長さんは忙しい中時間を作って、私たちにロケ地を案内するためにわざわざ沼津に来てくれたのよ。
健一:
スマホで見たら新幹線のダイヤがかなり乱れてたみたいですね。
待ち合わせに遅れても仕方ないですよ。
茜:
まぁ、気にすんなって。
今日は沼津の案内よろしくぅ!
オレ達も久しぶりにきょうだいに会えてうれしいよ。
里香:
あ~あ、茜の顔見て気分悪くなりそう・・・。
茜:
何か言ったか?
里香:
別に何でもないわよ。
隊長:
皆さん、よろしくお願いします!
それにしても茜ちゃん、初めて会うのによく私のことわかりましたね。
茜:
だって隊長さん、twitterで自分の顔公開してるじゃん。
名古屋とか長野とかいろんなロケ地行ってて、オレ感心しちゃうなぁ。
浩:
そう言えば、今回は1泊2日なんだっけ?
里香:
浩ったら隊長さんの案内読んでなかったの!?
書いてあったでしょ?「日帰り」って。
浩:
あっ、そう言えばそうだった。
間違ってお泊りセット持ってきちゃった(笑)
茜:
ったく、お前はホントに昔から世話のかかるヤツだな!
ツイてるもんちゃんとツイてんだろ?!
健一:
いや茜・・・、ツイてるとかツイてないとか、今は関係ないじゃないですか。
里香:
そうよ、隊長さんの前で変なこと言うんじゃないわよ。
隊長:
何だか会って早々みなさんの雰囲気が出ていいですね。
さっそく駅近くのロケ地から紹介しますね。
それでは行きましょう!
茜:
よぉ~し、最初のロケ地に出発だー!
茜・健一・里香・浩・隊長:
オーッ!!
隊長:
これが東海道線の線路の下をくぐる「あまねガード」です。
この辺りは、黒田の自宅付近として出てきました。
歩道橋の上に行くと、その場所が見られますよ。
里香:
あっ、分かった!
茜と翼くんが黒田って不良の家を探す時に出てきた場所ね!
隊長:
里香ちゃん正解!
さすがの記憶力です。
茜:
へぇ~、結構駅から近いところにあるんだな。
そういえばこんな感じの所を探して歩いてたっけ。
隊長:
歩道橋を渡り終えた後、そのまま線路沿いに進むと・・・。
茜:
そうそう、思い出した。
この辺も翼と歩いたよなぁ。
隊長:
「法善寺横丁」という看板がある建物が目印です。
浩:
黒田の家って居酒屋だったよね?
どのあたりにあるの?
隊長:
実は、すでに取り壊されて新しい家ができているんです。
ここがその場所です。
里香:
道路を挟んですぐ反対側にあったのね。
健一:
時の流れには逆らえないってわけですね・・・。
茜:
その場所がなくなっても、ここで経験したことは変わらないよな。
心の中の思い出は色あせないのさ。
あっ、もしかしてオレ今いいこと言った?
里香:
残念だけど、あんたが言っても全然説得力ないわよ。
ってか、何カッコつけてんの?
茜:
どうもすみませんでした、里香お嬢様!
里香:
バッカみたい・・・。
隊長:
私も茜ちゃんと似たような気持ちです。
これまでいろいろなロケ地を見てきましたが、風景が変わっている場所もありました。
でも、その場所がロケ地だってことに変わりはないんですよね。
浩:
僕、隊長さんのその気持ちわかる!
健一:
その場所で過去を振り返るっていいですよね。
隊長:
こうやって皆さんをご案内できることが本当にうれしいです。
次の場所に移りましょう。
隊長:
到着しました。
ここが「高沢公園」です。
浩:
さっきの場所からすぐだね。
茜:
結構広い公園なんだな。
健一:
この場所は・・・?
隊長:
ここは、茜ちゃんと翼くんが黒田の家を出た後に来た公園です。
あそこにあるオブジェの前でふたりで話していましたね。
浩:
ずいぶん変な形してるけど、何をモチーフにしてるのかなぁ?
隊長:
私もこのオブジェに関しては情報がないので分かりませんが、木の枝に似せてるんじゃないですかね?
健一:
確かに!
言われてみればそんな感じします。
浩:
僕、何だか登りたくなってきた。
茜:
浩、お前子どもじゃないんだからそれだけはやめとけ・・・。
浩:
だって登りたくなったんだからしょうがないじゃん!
人間はやりたいことをすぐ実行するのが一番!
隊長:
私、浩くんの子どもっぽい所が結構好きなんですよ。
茜:
隊長さん、間違ってる間違ってる。
「子どもっぽい」じゃなくて「子ども」だから(笑)
里香:
それにしても茜ったら、沼津に来て一也くんを探すことよりも翼と一緒にいたかったんじゃないの?
茜:
そんなんじゃないよ!
オレは一也を探してる翼を放っておけなくて一緒に・・・。
里香:
まっ、そういうことにしといてあげるわ。
浩:
一也くんが家出したのも、お母さんに男ができたのが原因だったんだよね?
健一:
そうでしたね。
子どもの問題って原因が親とか家庭環境が原因ってことが多いですから。
里香:
あ~、そっかぁ~。
茜の言葉遣いが悪いのも元ヤンキーのお父さんと春子さんが原因なのねぇ~。
茜:
お父さんとお母さんの悪口言うな!
お前のひねくれた性格も昔っからだな!
里香:
だって、ほんとのことじゃない!
あんただって言葉遣い全然直ってないじゃない!
茜:
あんだと、コノヤロー!
浩:
ちょっとお姉ちゃんも茜もやめなよ。
せっかく沼津に来たんだからさ。
健一:
隊長さんすみません。
里香も茜も久しぶりに会うといつもこんな感じなんです。
隊長:
これぞ本物のきょうだいゲンカ。
ドラマで見るのとは一味違いますねぇ。
しかもこれほど早く見られるとは!
って、すみませ~ん、次のロケ地をご案内したいんですが・・・。
健一:
ちょっと、ふたりともいい加減にしてください!!
茜:
あっ、ごめんごめん。
つい熱が入っちゃって・・・。
浩:
次はどこに行くの?
隊長:
元来た道を戻って、先ほどのあまねガードをくぐり、線路の反対側へ行きます。
健一:
どんなところか気になりますね。
隊長:
それでは向かいましょう!
隊長:
あまねガードには線路の南側にも歩道橋があったのですが、なくなってしまいました。
浩:
その歩道橋ってロケ地と何か関係があるの?
隊長:
ドラマだとちょっとしか出てきませんでしたが、一也くんを見かけた里香ちゃんが追いかける時に上っていたんです。
その歩道橋も2004年12月に撤去されてしまいました。
茜:
そういや、この辺りってきれいな建物も結構あるんだな。
隊長:
駅周辺の再開発により街の風景が変わりつつあるんです。
皆さんが以前沼津に来た時と比べると、歩道橋がなくなっただけでなくこの交差点の形も変わりました。
健一:
古い街並みや昔からあるお店がなくなるのって、ちょっと寂しいですね。
里香:
そうよね・・・。
隊長:
里香ちゃんがバイクに乗る一也くんを見かけたのはこの場所です。
里香:
あの時は、まさか一也くんがいるとは思わなくて一瞬目を疑ったわよ。
隊長:
そして、バイクが入っていった路地がこちら。
浩:
まだこっちのほうは再開発されていないみたいだね。
健一:
あまねガードに近い場所から再開発が進んでいるとすれば、この場所がなくなるのも時間の問題ですね。
茜:
一也たちがいた倉庫はこのあたりなのか?
隊長:
ここから少しだけ歩いた所にあったんですが、区画整理に伴ってずいぶん前に取り壊されてしまいました。
場所だけでよければご案内しますよ。
里香:
せっかくだからお願い、隊長さん。
隊長:
わかりました!
茜:
やっぱり区画整理された感じがするよなぁ。
浩:
倉庫の場所ってどうやって調べたの?
隊長:
Google Mapsのストリートビューで見られる一番古い写真を見ても見つからなかったので、国土地理院の空中写真を使って調べました。
茜:
国土地理院?
里香:
茜には縁のない言葉ね。
茜:
お前はいちいちうるさいんだ!
口にチャックを縫い付けてやろうか?
健一:
隊長さんって、色々なものを駆使してロケ地を見つけてるんですね。
僕には真似できませんよ。
隊長:
でも、結局はドラマの映像が最も重要な手掛かりになるんですけどね。
それで、この駐車場の場所に倉庫があったことがわかったんです。
浩:
高度な話でそのうちついて行けなくなりそう・・・。
隊長:
あっ、浩くんごめんなさい。
できるだけわかりやすく説明しているつもりだったんですが・・・。
健一:
大丈夫ですよ、隊長さん。
僕たち4人にバッチリ伝わってますから。
茜:
そうそう、気にすんなって。
ってか浩、お前は気合いが足りないから隊長さんの話が分からないんじゃないのか?!
浩:
話聞くのに気合いとかいる?
里香:
二人していつまでもバカなことやってんじゃないわよ。
隊長さん、次のロケ地は?
隊長:
次は川のほうへ向かいます。
10分くらい歩きますがご容赦を。
茜:
10分なんて余裕で徒歩圏内だぜ。
次の地点へ!
茜・健一・里香・浩・隊長:
しゅっぱ~つ!!
浩:
着いた着いた。
意外と歩く時間短かったね。
里香:
それにしても、大きい川ね。
隊長:
この川は「狩野川」と言って、このあたりでは一番大きいんですよ。
階段を下りると茜ちゃんと翼くんが話していた場所です。
健一:
茜って、あの時翼くんに電話かけてきた、まゆみって子にやきもち焼いてませんでした?
茜:
いや・・・、オレはどんな子かちょっと気になって翼に聞いてみただけで・・・。
隊長:
ちょっと気になってたという割には、「どんな子なんだ?」とか「かわいいのか?」とか聞いてたじゃないですか。
どんな子か聞くのは分かりますが、かわいいかどうかを聞くのは結構気になっている証拠で・す・ね!
里香:
隊長さん、結構食いついてきたわね。
健一:
ええ、もしかして恋バナが結構好きとか・・・?
浩:
でも、その子は彼女じゃなくて、松本に住んでるいとこだったんだよね?
健一:
きっと翼くんは、茜と仲良くしてた文太くんに気を遣ったんですよ。
隊長:
茜ちゃんと翼くんがくっついたり離れたりして、最後はどうなるのかずっと気にしながらふたりを見てましたよ。
里香:
あ~、残念。
まゆみが翼の彼女だったらもっともっと面白かったのに。
翼を取られて泣いてる茜の顔が見たかったわ~。
茜:
うるせぇ!
隊長:
さて、話をロケ地に戻しますね。
今向こうに見える橋がありますよね?
あれは「御成橋」と言うんですが、あの下に黒田がいて、茜ちゃんと翼くんが見かけたんです。
健一:
せっかくなので行ってみましょう。
里香:
何度も来られる場所じゃないから今のうちに行っておかなくちゃ。
茜:
そうそう、思い出した。
こんな感じの場所だったよな。
隊長:
ここは当時と全然変わっていませんね。
浩:
今にも黒田がここに座っていそうな感じがするね。
茜:
それにしても、太陽学園の大山といい、あの時の黒田といい、未成年でタバコ吸ってたヤツはどこにでもいたもんだな。
健一:
当時はtaspoがなくても自販機でタバコが買えましたからね。
茜:
確か、オレと翼はあっちの方へ逃げて行ったんだよな。
里香:
あんたね~、タバコを注意するのもいいけど、もう少し穏やかにできなかったわけ?
茜:
オレはああいうのを見るとビシっと言いたくなるんだよ。
隊長:
あの時の茜ちゃんの蹴りは結構決まってましたね。
茜:
そうだろ~。
隊長さんはオレの良き理解者だな~。
浩:
よっ、茜!
男の中の男!
茜:
浩、何てこと言うんだ。
この美しいお姉さまに向かって男とは。
健一:
それで、茜と翼くんは逃げた場所はどこなんですか?
隊長:
御成橋を渡って反対岸に行くとあります。
こっちです。ついてきてください。
茜:
あ~、なんかこの雰囲気覚えがある。
隊長:
ここは「香貫公園」といって、遊具はありませんが普段はウォーキングの休憩場所として訪れる人も多いようです。
茜ちゃんが黒田から逃げてきたのはこの場所ですね。
茜:
そうそう、横の道を翼と走って来たんだよな。
隊長:
他にもこの公園がロケ地になっているシーンがあるんです。
浩:
どんなシーンなの?
隊長:
茜と里香ちゃんが一也くんを探して走り回っているシーンです。
いま私たちが登っているこの坂を茜ちゃんが走っていましたね。
そして、里香ちゃんは、坂を上りきったところから見えるこの道路です。
里香:
あの時、一也くんを見つけるために沼津市内をあちこち探してたのをだんだん思い出してきたわ。
健一:
僕たちだけで昔の思い出を話していても全然思い出せないことがたくさんあるのに、こうやって以前来たことある場所で隊長さんから話を聞くと、不思議と当時の出来事が頭に浮かんできますね。
隊長:
そう言っていただけると本当にうれしいです。
あと、この階段はドラマではちょっとしか映りませんでしたが、一也くんが見つかったかどうかを翼くんに電話で聞いていた茜ちゃんが立っていた場所ですね。
浩:
こういう少ししか出てこない場所でも、隊長さんはロケ地を見つけてるんだね。
隊長:
なぜか1か所見つけると、この場所は?あの場所は?って次々と気になって探してしまうんですよ。
茜:
そういうところに隊長さんの「キッズ・ウォー愛」を感じるな。
隊長:
「愛」だなんてそんな大げさですよ。
でも、何度も見たくなってしまう作品であることに変わりはないです。
健一:
そういえば、僕たちがいた海岸や漁港はここから遠いんですか?
隊長:
そうなんです。
なので、ここから先はレンタカーでロケ地に向かいます。
沼津駅でレンタカーを予約してあるんですよ。
浩:
なんだかワクワクしてきた。
里香:
そうね!
茜:
オレも!
健一:
僕もです!
隊長:
それでは、さっき来た道を通って駅に戻りましょう!
第2話へ続く・・・